お釈迦さまのお言葉 1(令和2年7月)
衆生(しゅじょう)処処(しょしょ)の著(じゃく)これを引(ひ)いて出(い)ずること得(え)せしめんとなり
【妙法蓮華経方便品第ニ】
(意味)
衆生処処の著・・・人は十人十色、考え方も様々です。 現代の流れで言えば【人は人関係ない・損か得か・人生は一度きり楽しもう・自己責任 等】を良く耳にします。 人それぞれの考え方や感情が複雑に絡み合い、人一人の価値観が出来あがります。
その価値観を元に人は考え・行動します。 一人の時は通用しても社会に出ると時に他人とぶつかったりもします。
自分の考えが通った時は心躍り喜び・ぶつかった時は怒り・悲しむ。 このように社会で生きて行くには常に心が浮き沈みします。
良い心の状態の時は嫌な事は全て忘れ、悪い心の状態の時は全てが嫌になり、社会から姿を消したいとまで思う様になる、しかし人は一人では生きる事は出来ません、絶対に断ち切る事の出来ない繋がりがあるからです。人と共に生きて行くのが人間の本来の姿だと思います。
その様な生活をしている衆生(私たち)にお釈迦さまは「皆、自分の持つ価値観に執着しているから、常に心に浮き沈みがあるのです。皆をその執着から離れさせ、人として一番良い状態、楽しいものは楽しい・嫌な事は嫌・それでも心まで浮き沈みはしない境地(安穏な心・悟り)へと導こうとして【真実の教え法華経を説いたのです】」と言って下さいました。
お釈迦さまは、私たちのそのような状態を見て一つの道筋を示して下さいました。しかし私たちはその事を受け入れようとせず、己の価値観に執着し突き進んでいます。 お釈迦さまがお示し下さった道を進むかどうかは私たち自身で決める事です。
本当にこのままの自分で良いのか?より良い社会・人間になれるのか?を改めて見直すきっかけとなれば幸いに存じます。